シラバス
科目名 音楽文化論A
開講期 春学期 開講学部等 文化学部 配当年次 1年次 単位数 2単位
教員名 竹内 茂夫
 ※履修条件,配当年次等の詳細は履修要項をご確認ください。
授業概要/Course outline  
【注意】事前登録になり、文化学部の専門科目なので、文化学部生以外はコンピュータ抽選となりました。
 戦国時代の武将である織田信長や豊臣秀吉は,当時のヨーロッパのルネサンス音楽を聴き、当時の西洋楽器も弾いたらしいということをご存知でしょうか?
 西洋音楽が日本の一般大衆に知られるようになったのはせいぜい明治時代以降ですし、私たちが普段耳にする西洋音楽は、18世紀のフランス革命以後のある種の「固まった」ものが圧倒的で、1750年に亡くなったバッハ以前の豊かでアドリブすらできた(あるいはアドリブができないと成立しない)自由な音楽については、印刷術が発明される以前で楽譜が極めて少数しか残っていないために、よほどのマニアでない限り耳にすることは少ないようです。
 しかし、今日の西洋音楽の土台はバッハ以前に出来上がっています。当時は、ジャズのようにその場の即興で、J-POPのような愛の歌を、時に今でいう民族音楽のようなテイストで、ストリートでは大道芸人や吟遊詩人として歌っていたミュージシャンもたくさんいます。最近ではたくさんCDも出るようになって演奏会も増えています。
 この授業では、皆さんがあまり耳にしたことがない人が多いと思われるバッハとそれ以前の豊かな音楽を、最も証拠がよく残っているキリスト教音楽を軸に紹介し、今日の音楽がどのように作られていったかを見ていきましょう。
 春学期では古代からバロックの手前までを見て(CDやDVDの他に時には実演も交えて)聴いていきます。
授業内容・授業計画/Course description・plan  
第1回 プロローグ(旧約聖書の音楽):古代オリエントの楽器、調弦、立琴(リラ)
第2回 初期キリスト教会の音楽:シリア/アルメニア/コプト/エチオピア/ギリシア/ロシア、オクシリンコス賛歌、ビザンツ聖歌、ギリシアの音楽理論
第3回 ローマ教会とローマ(グレゴリオ)聖歌の成立:アウグスティヌス、ボエティウス、修道院、ネウマ譜、ローマ聖歌、教会暦、政務日課、ミサの式次第
第4回 ローマ聖歌以前の聖歌:アンブロシウス聖歌、モサラベ聖歌、古ローマ聖歌、ベネヴェント聖歌、ガリア聖歌、セーラム聖歌
第5回 ローマ聖歌の変容(1):トロープス、セクエンツィア、ノトケル、典礼劇(宗教的音楽劇)、ビンゲンのヒルデガルト
第6回 ローマ聖歌の変容(2):グイード・ダレッツォ、ウィンチェスターのトロープス、アキテーヌのポリフォニー(サン・マルシャル楽派)、カリストゥス写本(カリクスティヌス写本、聖ヤコブの書)、ノートルダム(パリ)楽派、レオニヌス、ペロティヌス
第7回 中世盛期の宗教歌曲:ラウダ、アシジの聖フランチェスコ、聖母マリアのカンティガ集、ゴリアール、カルミナ・ブラーナ
第8回 中世盛期の騎士文化:トルバドゥール、トルヴェール、ミンネジンガー、十字軍、ド・ラ・アル、ジョングルール、ミンストレル
第9回 中世からルネサンスへ(1)−フランス:アルス・アンティカ、アルス・ノヴァ、ド・ヴィトリ、ド・マショー、アルス・スブティリオール(シャンティイ写本)
第10回 中世からルネサンスへ(2)−イタリア他:トレチェント(スクアルチャルーピ写本)、ランディーニ、ファエンツァ写本、チコーニア、キャロル、ダンスタブル
第11回 ルネサンス初期の教会音楽(1):ブルゴーニュ楽派、デュファイ、バンショワ、フランドル楽派
第12回 ルネサンス初期の教会音楽(2):ビュノワ、オケヘム(オケゲム)
第13回 ルネサンス盛期の教会音楽(1):オブレヒト、ジョスカン、アグリコラ、楽譜の印刷(ペトルッチ)
第14回 ルネサンス盛期の教会音楽(2):コンペール、ブリュメル、ド・ラ・リュー、イサーク、ムトン
第15回 予備
準備学習等(事前・事後学習)/Preparation and assignments  
1.普段TVなどで流れているJ-POPとは全く違う音楽を聴くという異文化体験をします。その違いを最初から「合わない」「気持ち悪い」ものとして拒否するのではなく、こういう音楽もあったんだと受け入れる心の準備をして下さい。そしてなぜそのように感じるかを考える努力をして下さい。
2.資料が残っているキリスト教音楽がメインになりますし、当時の生活や社会はキリスト教なしでは成立しませんので、キリスト教が嫌いな人でも頭から拒否するのではなくキリスト教のことを勉強する心積もりをしておいてください。
3.短調=暗い、長調=明るいという「曲調」という考え方がまだなかったことを、頭の隅に置いておいて下さい。
4.曲が先ではなく詞が先で、それにどのように節(音楽)を付けるかという手順を想像しておいて下さい。
授業の到達目標/Expected outcome  
古い音楽をたくさん聴き,現在の音楽の土台になっているものを知ること。

履修上の注意/Special notes, cautions  
1.毎回の時間に聞く曲についてコメントやランキングを記入して提出してもらいます。聞いた曲なのにコメントがなかったりいい加減なコメントであると判断した場合には、提出しても評価は著しく低くなります。
2.4回以上の欠席は、原則として不合格とします。第1回目の授業は他の授業との比較をする人もいるでしょうから欠席にはしませんが、出席者にはポイントを加算する予定です。
3.10分以上の遅刻は、欠席とします。コメントの記入用紙などは配布しません。
4.聞く音楽のダイナミック・レンジが大きく、極めて小さい音の部分もあります。真剣に聞き取りたい受講生も多いので、単なる音楽鑑賞のつもりで私語をする学生は出席しないで下さい。退室を促します。
5.神山ホールあるいは11号館ロビーにて授業に関連するコンサートを開催する予定です。コメント文の提出で出席点に加えますので、積極的に参加してください。
評価方法/Evaluation  
「履修上の注意」に記された出席などを前提にした上で、コメント文や授業への参加などの平常点(40〜60%)と学期末の課題(60〜40%)を総合して評価します。
教 材/Text and materials  
・教科書:プリント配布
・参考書等:皆川達夫『中世・ルネサンスの音楽』(講談社学術文庫、2009) 1,008円(税込) ISBN-13: 978-4062919371
・指定図書:金澤正剛『キリスト教音楽の歴史 初代教会からJ・S・バッハまで』(日本キリスト教団出版局、2005) 5,460円(税込) ISBN-13: 978-4818405509
・今谷和徳『中世・ルネサンスの社会と音楽 新版』(音楽之友社,2006) 3,675円(税込) ISBN-13: 978-4276110533
・D・J・グラウト,C・V・パリスカ著,戸口幸策,津上英輔,寺西基之訳『新 西洋音楽史 (上)』(音楽之友社、1998) 3,990円(税込) ISBN-13: 978-4276112124
・参照URL:moodle (https://cclms.kyoto-su.ac.jp/) を見て下さい。

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